衛生管理者試験の計算公式まとめ(9種類・例題つき)

衛生管理者の計算問題は9種類に集約できます。どれも「分母は何か」「最後に何を掛けるか」の2点で決まります。式を丸暗記するより、この2点をセットで覚えると本番で迷いません。

必要換気量労働衛生

必要換気量(m³/h)= 在室者全員の二酸化炭素呼出量(m³/h)÷(室内の二酸化炭素基準濃度 − 外気の二酸化炭素濃度)

分母は「基準濃度と外気濃度の差」。基準は通常0.1%(1,000ppm)、外気は約0.04%(400ppm)。%のまま計算するときは小数に直す(0.1% = 0.001)。

例題

在室者10人、1人あたりの二酸化炭素呼出量が0.02 m³/h、室内の基準濃度0.1%、外気濃度0.04%のとき。

  1. 全員の呼出量:10 × 0.02 = 0.2 m³/h
  2. 濃度差:0.001 − 0.0004 = 0.0006
  3. 必要換気量:0.2 ÷ 0.0006 ≒ 333 m³/h

答え:約333 m³/h

よくある間違い:濃度をppmで計算するなら、呼出量もppm換算(0.2 m³/h ÷ 600ppm × 10⁶)と単位をそろえる。%と小数を混ぜると桁が3つずれる。

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WBGT(暑さ指数)労働衛生

屋外で日射がある場合:WBGT = 0.7 × 自然湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度 / 屋内・屋外で日射がない場合:WBGT = 0.7 × 自然湿球温度 + 0.3 × 黒球温度

係数の合計はどちらも1.0。日射がないときは乾球温度を使わず、黒球温度の係数が0.3になる。自然湿球温度の重みが最も大きい(湿度の影響が大きい)。

例題

屋外の作業場で、自然湿球温度25℃、黒球温度40℃、乾球温度32℃のとき。

  1. 0.7 × 25 = 17.5
  2. 0.2 × 40 = 8.0
  3. 0.1 × 32 = 3.2
  4. 合計:17.5 + 8.0 + 3.2 = 28.7℃

答え:WBGT 28.7℃

よくある間違い:同じ温度でも日射のない屋内の式で計算すると 0.7×25 + 0.3×40 = 31.5℃ と別の値になる。どちらの式かを問題文の「日射」の有無で決める。

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度数率労働衛生(統計)

度数率 = 労働災害による死傷者数 ÷ 延べ実労働時間数 × 1,000,000

分母は「延べ実労働時間」。100万時間あたりの死傷者数を表す。

例題

1年間の死傷者数3人、延べ実労働時間1,200,000時間のとき。

  1. 3 ÷ 1,200,000 = 0.0000025
  2. × 1,000,000 = 2.5

答え:度数率 2.5

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強度率労働衛生(統計)

強度率 = 延べ労働損失日数 ÷ 延べ実労働時間数 × 1,000

分母は度数率と同じ「延べ実労働時間」だが、掛けるのは1,000。分子が「人数」ではなく「損失日数」になる点が度数率との違い。

例題

延べ労働損失日数60日、延べ実労働時間1,200,000時間のとき。

  1. 60 ÷ 1,200,000 = 0.00005
  2. × 1,000 = 0.05

答え:強度率 0.05

よくある間違い:度数率は災害の「頻度」、強度率は災害の「重さ」。同じ分母で、分子と掛ける数が違う。

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年千人率労働衛生(統計)

年千人率 = 1年間の死傷者数 ÷ 1年間の平均労働者数 × 1,000

分母が「労働時間」ではなく「労働者数」。労働者1,000人あたりの年間死傷者数。

例題

1年間の死傷者数3人、平均労働者数600人のとき。

  1. 3 ÷ 600 = 0.005
  2. × 1,000 = 5.0

答え:年千人率 5.0

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有所見率労働衛生(統計)

有所見率(%)= 有所見者数 ÷ 健康診断受診者数 × 100

ある時点の状態を表す静態データ。一定期間に新しく発生した人の割合(発生率)とは区別する。

例題

定期健康診断の受診者600人のうち、有所見者が180人のとき。

  1. 180 ÷ 600 = 0.3
  2. × 100 = 30

答え:有所見率 30%

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疾病休業日数率・病休件数年千人率労働衛生(統計)

疾病休業日数率 = 疾病休業延日数 ÷ 在籍労働者の延所定労働日数 × 100 / 病休件数年千人率 = 疾病休業件数 ÷ 在籍労働者数 × 1,000

日数率の分母は「延所定労働日数(在籍労働者数 × 所定労働日数)」で掛けるのは100。件数年千人率の分母は「在籍労働者数」で掛けるのは1,000。分母と掛ける数が両方違う。

例題

在籍労働者600人、年間の所定労働日数240日、疾病休業延日数360日、疾病休業件数36件のとき。

  1. 延所定労働日数:600 × 240 = 144,000日
  2. 疾病休業日数率:360 ÷ 144,000 × 100 = 0.25
  3. 病休件数年千人率:36 ÷ 600 × 1,000 = 60

答え:疾病休業日数率 0.25、病休件数年千人率 60

よくある間違い:日数率に1,000を掛けると2.5になり、桁が1つずれる。「日数率は100、件数年千人率は1,000」と組で覚える。

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エネルギー代謝率(RMR)労働生理

RMR =(作業時の消費エネルギー量 − 安静時の消費エネルギー量)÷ 基礎代謝量

分子は「作業による増加分」。分母は基礎代謝量。体格の影響を受けにくいので、作業の強さを比べる指標になる。

例題

ある作業の消費エネルギー量が毎分4.5 kcal、安静時が毎分1.2 kcal、基礎代謝量が毎分1.1 kcalのとき。

  1. 作業による増加分:4.5 − 1.2 = 3.3 kcal/分
  2. 3.3 ÷ 1.1 = 3.0

答え:RMR 3.0

よくある間違い:安静時の消費エネルギー量と基礎代謝量は別の値。安静時は基礎代謝量より少し大きい(座位などで測る)。

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BMI労働生理

BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)²

身長は cm ではなく m で2乗する。日本肥満学会の判定では 18.5未満が低体重、18.5以上25未満が普通体重、25以上が肥満。

例題

体重70 kg、身長172 cmのとき。

  1. 身長をmに直す:1.72 m
  2. 1.72² = 2.9584
  3. 70 ÷ 2.9584 ≒ 23.7

答え:BMI 約23.7(普通体重)

よくある質問

度数率と強度率はどう区別しますか?

分母はどちらも延べ実労働時間で同じです。度数率は分子が死傷者数で100万を掛け、強度率は分子が労働損失日数で1,000を掛けます。「頻度は人数で100万、強さは日数で1,000」と組で覚えます。

WBGT の式は2つとも覚える必要がありますか?

あります。日射のある屋外は乾球温度を含む3項の式、日射のない屋内は2項の式です。係数の合計がどちらも1.0になることを確かめれば、係数の取り違えに気づけます。

必要換気量の単位がよく分かりません。

呼出量が m³/h、濃度が小数(0.1% = 0.001)なら、答えは m³/h で出ます。濃度をppmで扱うなら分子もppm換算にそろえます。単位を混ぜると桁がずれるので、計算の前に小数に直すのが安全です。

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