第二種衛生管理者/第2章 労働衛生

★★★ 出題の目安 3/3 第二種は2回とも3問。第一種は3問の回と0問の回があり、平均は2問を超える。

温熱条件・換気・採光

温熱条件は4要素、暑さの指標はWBGT、換気は必要換気量の考え方が問われます。用語の定義を正確に押さえる分野です。

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音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

温熱条件は4つの要素で決まる

暑さ・寒さの感じ方は気温だけでは決まりません。次の4つで決まります。

気温・湿度・気流・ふく射熱(放射熱)の4つです。「4要素は何か」という形で直接問われます。

気温湿度気流ふく射熱実効温度(感覚温度)= 気温・湿度・気流の3つ実効温度には含まれない温熱条件は4つで決まる。WBGTは湿球温度と黒球温度(屋外の日射時は乾球温度も)から求める別の指標
温熱4要素と実効温度の関係。ふく射熱だけが実効温度に入らない
実効温度(感覚温度) 気温・湿度・気流の3つを総合した指標。ふく射熱は含まない。
WBGT(暑さ指数) 暑熱環境のリスク評価に用いる指標。単位は温度と同じ℃だが気温そのものではない。
至適温度 作業をするのに最も適した温度。作業強度が大きいほど低くなる。

WBGTの求め方の違い

WBGTは日射(太陽の照りつけ)の有無で計算式が変わります。

屋外で日射があるときは、自然湿球温度・黒球温度・乾球温度の3つを使います。屋内、または屋外で日射がないときは、自然湿球温度と黒球温度の2つだけを使い、乾球温度は使いません。

「どちらの式でも乾球温度を使う」は誤りです。ここが引っかけになります。

屋外・日射あり自然湿球温度 ×0.7黒球温度×0.2乾球温度×0.1屋内/屋外・日射なし自然湿球温度 ×0.7黒球温度 ×0.3係数の合計はどちらも1.0。日射がないときは乾球温度を使わず、黒球温度の係数が0.3になる
WBGTの計算式。日射の有無で乾球温度を使うかどうかが変わる

例題:屋外の作業場のWBGTを求める

屋外で日射のある作業場で、自然湿球温度25℃、黒球温度40℃、乾球温度32℃でした。

  1. ① 日射があるので3項の式を使う WBGT = 0.7 × 自然湿球温度 + 0.2 × 黒球温度 + 0.1 × 乾球温度
  2. ② 数値を入れる 0.7 × 25 + 0.2 × 40 + 0.1 × 32 = 17.5 + 8.0 + 3.2 係数の合計が1.0になっているか確かめる。
  3. ③ 合計する = 28.7℃

答え:WBGT 28.7℃

よくある間違い:同じ温度を屋内の式(0.7 × 25 + 0.3 × 40)で計算すると31.5℃になる。どちらの式かは「日射の有無」で決める。

必要換気量

必要換気量は、室内の二酸化炭素濃度を基準値以下に保つために必要な換気の量です。

在室者が増えれば必要換気量は増えます。また、室の気積が大きくても必要換気量そのものは変わりません(気積が大きいと濃度の上昇が緩やかになるだけです)。

一般に、成人1人あたりの必要換気量は毎時30〜40立方メートル程度とされます。

例題:会議室に必要な換気量を求める

在室者10人、1人あたりの二酸化炭素呼出量が0.02m³/h、室内の二酸化炭素の基準濃度を0.1%、外気の二酸化炭素濃度を0.04%とします。

  1. ① 全員の二酸化炭素呼出量を出す 10 × 0.02 = 0.2 m³/h
  2. ② 濃度差を小数に直して出す 0.001 − 0.0004 = 0.0006 0.1% = 0.001、0.04% = 0.0004。%のまま計算しない。
  3. ③ 呼出量を濃度差で割る 0.2 ÷ 0.0006 ≒ 333 m³/h

答え:必要換気量 約333m³/h

よくある間違い:部屋を広くしても必要換気量は変わらない。分子(呼出量)も分母(濃度差)も気積とは無関係だからです。

採光と照明の用語

言葉の定義がそのまま問われます。

全般照明 作業場全体を明るくする照明。
局部照明 手元など必要な部分だけを照らす照明。
併用するときの目安 全般照明の照度は、局部照明の10分の1以上が望ましい。
前方から明かりを取る場合 眼と光源を結ぶ線と、視線とがなす角度は30度以上が望ましい。
光の色 一般に、あまり色を必要としない作業では光源の色は問題にならない。

職場ではどう使う?

夏の倉庫でWBGTを測ると、基準値を超える日が続くことがあります。作業強度が中程度なら休憩を増やし、水分と塩分を用意します。至適温度は作業強度が大きいほど低いので、事務室と同じ温度設定では暑すぎます。

会議室が「空気が悪い」と言われたら、部屋を広くする前に、在室人数に見合う換気量があるかを見ます。

試験ではどう問われる?

温熱4要素から1つ抜いた選択肢や、実効温度にふく射熱を含めた選択肢が出ます。WBGTでは「屋内でも乾球温度を使う」が定番の誤りです。

必要換気量では「気積が大きいほど必要換気量が少なくて済む」が引っかけで、換気量は在室者数で決まり、気積では変わりません。

よくある質問

温熱条件の4要素は何ですか?

気温・湿度・気流・ふく射熱(放射熱)の4つです。実効温度はこのうち気温・湿度・気流の3つを総合した指標で、ふく射熱を含みません。

WBGTは気温のことですか?

違います。単位は℃ですが、湿球温度や黒球温度を組み合わせて求める暑さの指標です。日射があるかないかで計算に使う値が変わります。

部屋が広ければ換気は少なくて済みますか?

必要換気量そのものは変わりません。気積が大きいと汚染物質の濃度上昇が緩やかになるだけで、在室者が出す二酸化炭素の量は同じだからです。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    温熱環境を決定する温熱条件(温熱要素)の組合せとして正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 気温、湿度、気流、ふく射熱

    温熱条件は気温・湿度・気流・ふく射熱(放射熱)の4つです。このうち気温・湿度・気流の3つを総合した指標が実効温度(感覚温度)で、ふく射熱は含みません。 実効温度に含まれないのはふく射熱です。4要素のうち1つだけ外れる、という形で覚えると取り違えません。

    問題番号 2-onn-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    暑熱環境の評価に用いられるWBGT値について、屋内における算出式として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 0.7×自然湿球温度 + 0.3×黒球温度

    屋内および屋外で日射のない場合は「0.7×自然湿球+0.3×黒球」、屋外で日射がある場合は「0.7×自然湿球+0.2×黒球+0.1×乾球」です。日射があるときだけ乾球温度が入ると覚えます。 日射があるときだけ乾球温度が加わるため、係数も0.7・0.2・0.1の3つになります。屋内は0.7・0.3の2つです。項目の数で見分けられます。

    問題番号 2-onn-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    室内の二酸化炭素濃度を基準値に保つために必要な換気量(必要換気量)の計算で、分子に用いる値はどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 室内の在室者が呼出する二酸化炭素量

    必要換気量は、在室者の二酸化炭素呼出量を、室内の二酸化炭素基準濃度と外気濃度の差で割って求めます。基準濃度は0.1%(1000ppm)、外気は0.03〜0.04%程度として計算します。気積は必要換気量そのものには使いません。 室の気積が大きくても必要換気量は変わりません。気積が大きいと濃度の上昇が緩やかになるだけで、在室者が出す二酸化炭素の量は同じだからです。

    問題番号 2-onn-003(誤りに気づいたらお知らせください)

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 公表試験問題(安全衛生技術試験協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。