第二種衛生管理者/第3章 労働生理

★★★ 出題の目安 3/3 4回とも2問ずつ出題。

筋肉・代謝・体温調節

等尺性収縮と等張性収縮の違い、基礎代謝の定義、体温調節の恒常性が問われます。定義を正確に覚える分野です。

動画で見る(約5分)

音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

筋肉の分類

見た目の分類と、意思で動かせるかどうかの分類が別にあります。

随意筋(意思で動かせる)不随意筋(動かせない)横紋筋(しま模様)平滑筋(しま模様なし)骨格筋心筋横紋筋なのに不随意筋(該当なし)内臓・血管の筋肉「横紋筋はすべて随意筋」は心筋があるので誤り
見た目の分類と、意思で動かせるかの分類。心筋だけが例外の組合せ
横紋筋 骨格筋と心筋。しま模様が見える。
平滑筋 内臓や血管の筋肉。しま模様がない。
随意筋 意思で動かせる。骨格筋。
不随意筋 意思で動かせない。心筋と平滑筋。

心筋が例外

分類の表を見ると、心筋は横紋筋なのに不随意筋という組合せになります。ここが例外として問われます。

「横紋筋はすべて随意筋である」という選択肢は、心筋があるため誤りです。

2つの収縮

筋肉の収縮のしかたは2種類あります。筋肉の長さが変わるかどうかで区別します。

等尺性収縮 筋肉の長さは変わらず、張力だけが変わる。姿勢の保持、物を持ったまま静止する、綱引きで動かない状態など。
等張性収縮 筋肉の長さが変わる。屈伸運動、荷物を持ち上げる動作など。

基礎代謝の定義は厳密

基礎代謝量は、生命維持に必要な最小限のエネルギー代謝量です。測定条件が定義に含まれます。

覚醒・横臥・安静の状態で測定します。「睡眠中」ではなく目が覚めている状態である点が引っかけです。

基礎代謝量は、同じ年齢・性別なら体表面積にほぼ比例します。一般に男性のほうが女性より高く、加齢とともに低下します。

エネルギー代謝率(RMR)

エネルギー代謝率は、作業に要したエネルギー量が基礎代謝量の何倍にあたるかを表す指標です。

作業の強度を表す指標であり、体格や年齢の差の影響を受けにくいのが特徴です。ただし精神的作業や静的作業(座ったままの作業)には適用しにくい、という限界も問われます。

例題:作業のエネルギー代謝率を求める

ある作業中の消費エネルギー量が毎分4.5kcal、安静時の消費エネルギー量が毎分1.2kcal、基礎代謝量が毎分1.1kcalでした。

  1. ① 作業による増加分を出す 4.5 − 1.2 = 3.3 kcal/分 引くのは「安静時」の値。基礎代謝量ではありません。
  2. ② 基礎代謝量で割る 3.3 ÷ 1.1 = 3.0

答え:RMR 3.0

よくある間違い:分子から基礎代謝量を引いてしまう(4.5 − 1.1 = 3.4 → 3.1)のが典型的な間違い。式は「(作業時 − 安静時)÷ 基礎代謝量」。

体温調節と発汗

体温調節の中枢は間脳の視床下部にあります。外部環境が変わっても体内の状態を一定に保つはたらきを恒常性(ホメオスタシス)といいます。

暑いときは皮膚の血管が拡張して熱を逃がし、発汗によって気化熱を奪います。

発汗には、体温調節のための温熱性発汗と、緊張したときに手のひらなどに出る精神性発汗があります。

また、発汗がなくても皮膚や呼気から水分は失われており、これを不感蒸泄といいます。

職場ではどう使う?

重い荷物を持ったまま立って待つ作業は、等尺性収縮が続く静的作業で、動いていないのに疲れます。RMRが小さくても静的作業は負担が大きいので、RMRだけで作業の負担を判断しません。

夏の屋外作業で汗が出なくなったら、体温調節が破綻しているサインです。すぐ休ませます。

試験ではどう問われる?

「心筋は随意筋」「横紋筋はすべて随意筋」「等尺性収縮では筋肉の長さが変わる」のような入れ替えが定番です。

基礎代謝は「睡眠中に測る」が誤りで、覚醒・横臥・安静で測ります。RMRでは「体格の影響を強く受ける」が誤りです。

よくある質問

等尺性収縮とはどんな状態ですか?

筋肉の長さが変わらないまま張力だけが変わる収縮です。姿勢を保つ、荷物を持ったまま静止する、といった場面が該当します。長さが変わる屈伸運動は等張性収縮です。

基礎代謝は睡眠中に測るのですか?

違います。覚醒・横臥・安静の状態で測定します。目が覚めている状態である点が定義に含まれます。

心筋は随意筋ですか?

不随意筋です。横紋筋でありながら意思では動かせないという例外的な組合せで、ここがよく問われます。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    筋肉に関する記述として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 心筋は横紋筋であるが、意思によって動かせない不随意筋である

    心筋は横紋筋でありながら不随意筋という例外的な筋肉です。骨格筋は横紋筋で随意筋、内臓や血管の壁は平滑筋で不随意筋になります。心筋の扱いが定番の論点です。 分類は2軸あります。しま模様の有無(横紋筋・平滑筋)と、意思で動かせるか(随意筋・不随意筋)です。心筋はこの2軸が食い違う唯一の例です。

    問題番号 2-kin-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    姿勢を保持するときのように、筋肉の長さを変えずに筋力を発生させる収縮を何というか。

    答えと解説を見る

    正解:2 等尺性収縮

    長さが変わらないのが等尺性収縮で、直立姿勢の保持などが該当します。関節を屈伸させて長さが変わるのが等張性収縮です。「尺=長さ」と結びつけると迷いません。 等尺性収縮は長さが変わらないので関節も動きません。荷物を持ったまま静止する、綱引きで動かない、といった場面が該当します。

    問題番号 2-kin-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    基礎代謝量に関する記述として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:2 覚醒・横臥・安静時の生命維持に必要なエネルギー代謝量である

    基礎代謝量は覚醒・横臥・安静時の値です。睡眠中ではありません。同性・同年齢であれば体重ではなく体表面積にほぼ比例します。 引っかけは2つです。「睡眠中に測定する」と書かれていたら誤り。「体重にほぼ比例する」と書かれていても誤りで、正しくは体表面積にほぼ比例します。

    問題番号 2-kin-003(誤りに気づいたらお知らせください)

この分野の練習問題 全8問を解く 覚える数字を確認する

関連する解説

解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 公表試験問題(安全衛生技術試験協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。