第二種衛生管理者/第2章 労働衛生

★★☆ 出題の目安 2/3 第二種は2回とも1問。第一種は0問の回があり、平均は1問弱。

労働衛生管理統計

静態データと動態データの区別、スクリーニングレベルの考え方、疾病休業の計算式が問われます。計算は式さえ覚えれば取れます。

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音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

有所見率と発生率は別物

この分野で最も問われる対比です。

有所見率は、ある一時点で健康診断を受けた人のうち有所見であった人の割合です。ある瞬間を切り取った値なので静態データといいます。

発生率は、一定の期間に新たに有所見となった人の割合です。期間の中での変化を見る値なので動態データといいます。

「有所見率は動態データである」といった入れ替えが選択肢に出ます。

4月1日健診日3月31日有所見率=この一時点の割合(静態データ)発生率=この期間に新たに有所見になった人の割合(動態データ)「点」で切り取るか「期間」で見るか。言葉を入れ替えた選択肢が出る
有所見率は一時点、発生率は期間。静態と動態の違い

スクリーニングレベル

健康診断のふるい分けでは、正常な人を有所見と判定してしまう(偽陽性)ことがある程度出るように、判定の基準を低めに設定します。

理由は、見落とし(偽陰性)を減らすためです。健康診断は病気を確定させる検査ではなく、疑わしい人を拾い上げて次の精密検査につなぐものだからです。

したがって偽陽性率は高くなるのが正常です。「偽陽性が多いのは検査として不適切」とする選択肢は誤りになります。

疾病休業の計算

式を覚えていれば計算できます。分母が何かを取り違えないでください。

疾病休業日数率 疾病休業延日数 ÷ 在籍労働者の延所定労働日数 × 100
病休件数年千人率 疾病休業件数 ÷ 在籍労働者数 × 1,000
病休度数率 疾病休業件数 ÷ 延実労働時間数 × 1,000,000

例題:疾病休業日数率と病休件数年千人率を求める

在籍労働者数200人、1年間の延所定労働日数50,000日、疾病休業延日数250日、疾病休業件数40件の事業場があります。

  1. ① 疾病休業日数率を計算する 250 ÷ 50,000 × 100 = 0.5 分母は「延所定労働日数」です。在籍労働者数ではありません。
  2. ② 病休件数年千人率を計算する 40 ÷ 200 × 1,000 = 200 こちらの分母は「在籍労働者数」です。1,000を掛けるので値は大きくなります。

答え:疾病休業日数率 0.5/病休件数年千人率 200

よくある間違い:2つの式は分母が違います。日数率は延所定労働日数、件数年千人率は在籍労働者数です。ここを取り違えると答えが桁ごとずれます。

相関と因果は別

2つのデータに相関が見られても、それだけでは因果関係があるとはいえません。第三の要因が両方に影響している場合があるためです。

この点は統計の一般的な考え方として問われます。

職場ではどう使う?

定期健診の有所見率が今年42%でした。去年の40%と比べるのは静態データ同士の比較で、「今年新たに有所見になった人」の発生率とは別の話です。

健診で偽陽性が多いのは仕様なので、要精密検査の人数が多いこと自体は問題ではありません。

試験ではどう問われる?

有所見率と発生率、静態と動態の対応を入れ替えた選択肢が最も多く出ます。「偽陽性が多い検査は不適切」「相関があれば因果関係がある」も誤りとして出ます。

計算問題では、分母を在籍労働者数と延所定労働日数で取り違えさせる形です。

よくある質問

有所見率と発生率はどう違いますか?

有所見率はある一時点での有所見者の割合(静態データ)、発生率は一定期間に新たに有所見となった人の割合(動態データ)です。どちらが静態でどちらが動態かを入れ替えた選択肢が出ます。

スクリーニングで偽陽性が多いのは問題ではないのですか?

問題ではありません。健康診断は見落としを減らすことを優先するため、判定基準を低めに設定します。その結果として偽陽性率は高くなります。

疾病休業日数率の分母は何ですか?

在籍労働者の延所定労働日数です。病休件数年千人率の分母は在籍労働者数なので、2つの式で分母が違う点に注意してください。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    労働衛生管理統計における「有所見率」の説明として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:2 ある時点における有所見者の割合を示す静態データである

    有所見率はある時点での割合を示す静態データです。一定期間に新たに発生した割合を示すのが発生率で、こちらは動態データになります。静態と動態の区別が問われます。 静態と動態の違いは、ある瞬間を切り取ったか、期間の中での変化を見たかです。有所見率が静態、発生率が動態と対応させて覚えてください。

    問題番号 2-tou-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    スクリーニングレベルを低く設定した場合に起こることとして正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 偽陽性率が高くなる

    労働衛生の検査ではスクリーニングレベルを低めに設定します。異常を見落とさないためで、その結果、正常なのに異常と判定される偽陽性が多くなります。見落とし(偽陰性)を減らす代わりに偽陽性が増えるという関係です。 健康診断はふるい分けであって病気を確定させる検査ではありません。だから見落としを減らす側に振り、偽陽性が増えるのを許容します。

    問題番号 2-tou-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    二つの事象の間に相関関係が認められれば、それらの間に因果関係があるといえる。

    答えと解説を見る

    正解:誤り(×)

    相関関係があっても因果関係があるとは限りません。第三の要因が両方に影響している場合や、偶然の一致もあります。統計の設問で繰り返し出る考え方です。 相関があっても因果とは限らない例として、第三の要因が両方に影響しているケースがあります。統計を扱う設問で繰り返し問われる考え方です。

    問題番号 2-tou-003(誤りに気づいたらお知らせください)

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 公表試験問題(安全衛生技術試験協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。