第一種衛生管理者/第5章 労働衛生(有害業務)

★★★ 出題の目安 3/3 2回とも出題。各回2〜4問。

局所排気装置と保護具

フードは囲い式ほど効果が高い、という順序が基本です。保護具では「酸欠のおそれがある場所でろ過式は使えない」が最重要です。

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音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

対策には優先順位がある

有害物質への対策は、発生源を断つほうが上位です。順序を問う出題があります。

代替(より有害性の低いものに変える)→ 密閉・自動化 → 局所排気装置 → 全体換気 → 保護具の順で検討します。保護具は最後の手段であり、これに頼る対策は望ましくありません。

1. 代替(有害性の低いものに変える)2. 密閉・自動化3. 局所排気装置4. 全体換気5. 保護具(最後の手段)上位下位発生源を断つほうが上位
有害物質への対策の優先順位。保護具に頼る対策は望ましくない

フードの形式と効果の順序

局所排気装置のフードは、発生源を囲む度合いが高いほど少ない排風量で効果が得られます。

囲い式カバー型グローブボックス型ドラフトチェンバー型建築ブース型外付け式側方吸引型下方吸引型上方吸引型レシーバー式熱上昇気流や飛散の勢いを受け止める少ない排風量で効果が出る多くの排風量が必要囲い式の中でも、発生源を囲む度合いが高い順にカバー型 → グローブボックス型 → ドラフトチェンバー型 → 建築ブース型
局所排気装置のフードは、発生源を囲むほど少ない排風量で効く
囲い式(効果が高い) カバー型 → グローブボックス型 → ドラフトチェンバー型 → 建築ブース型。発生源を囲むほど有利。
外付け式 側方吸引型・下方吸引型・上方吸引型。囲い式より多くの排風量が必要。
レシーバー式 発生源の勢い(熱上昇気流や回転による飛散)を利用して受け止める。

ダクトと排風機の配置

ダクトが太すぎると搬送速度が不足して粉じんが内部にたまり、細すぎると圧力損失が大きくなります。どちらも問題なので、適切な太さが必要です。

空気清浄装置を設ける場合、排風機は空気清浄装置の後ろ(清浄された空気が通る位置)に設けます。清浄前の汚れた空気を通すと、排風機が腐食したり摩耗したりするためです。

ダクトのベンド(曲がり)は少ないほうがよいとされます。圧力損失が増えるためです。

フードダクト空気清浄装置排風機排気口排風機は空気清浄装置の後ろ(清浄された空気が通る位置)汚れた空気を排風機に通すと腐食・摩耗する。ダクトの曲がりは少ないほど圧力損失が小さい
局所排気装置の構成。排風機は空気清浄装置の後ろに置く

呼吸用保護具の使い分け

ここが最重要です。呼吸用保護具は大きく2つに分かれます。

ろ過式 防じんマスク・防毒マスク。空気中の有害物を除去して吸う。周囲の空気を使うため、酸素が足りない場所では使えない。
給気式 送気マスク・空気呼吸器。別に用意した空気や酸素を供給する。

酸素欠乏のおそれがある場所では給気式

酸素欠乏のおそれがある場所では、防毒マスクや防じんマスクは使えません。これらは周囲の空気をろ過して吸う仕組みなので、そもそも酸素が足りない空気しか吸えないためです。

この場合は送気マスクや空気呼吸器などの給気式を使わなければなりません。もっとも問われる論点です。

また、防毒マスクの吸収缶には有効時間の限界(破過)があり、高濃度の場所では使用できません。

吸収缶の色

防毒マスクの吸収缶は、対象ガスごとに色が決まっています。

有機ガス用 黒
一酸化炭素用 赤
硫化水素用 黄
アンモニア用 緑
亜硫酸ガス用 黄赤
シアン化水素(青酸)用 青

職場ではどう使う?

溶接ブースの局所排気装置で「吸わなくなった」と言われたら、ダクトに粉じんがたまっているか、フードが発生源から離れていないかを見ます。

マンホール作業に防毒マスクを持って行く人がいますが、酸素が足りない場所でろ過式は役に立ちません。送気マスクなどの給気式に替えます。

試験ではどう問われる?

「酸素欠乏のおそれがある場所では防毒マスクを使用する」が最も多く出る誤りです。

フードでは「外付け式は囲い式より少ない排風量で済む」、ダクトでは「排風機は空気清浄装置の前に置く」「ダクトは太いほどよい」のような逆の記述、吸収缶の色の組合せの入れ替えが出ます。

よくある質問

酸素欠乏のおそれがある場所で防毒マスクは使えますか?

使えません。防毒マスクや防じんマスクは周囲の空気をろ過して吸うろ過式なので、酸素が不足している空気しか吸えません。送気マスクや空気呼吸器などの給気式を使う必要があります。

フードはどの形式が効果的ですか?

発生源を囲む囲い式がもっとも効果的で、少ない排風量で済みます。次いで外付け式、レシーバー式の順です。囲い式の中でもカバー型がもっとも囲いの度合いが高くなります。

排風機は空気清浄装置の前と後ろどちらに置きますか?

後ろ(清浄された空気が通る位置)です。清浄前の汚れた空気を通すと排風機が腐食・摩耗するためです。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    局所排気装置のフードのうち、一般に最も排気効果が高い(同じ効果を得るのに必要な排風量が少ない)形式はどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 囲い式カバー型

    有害物の発生源を囲ってしまう囲い式が最も効果的で、その中でも開口部の小さいカバー型が優れています。囲い式(カバー型→グローブボックス型→ドラフトチェンバ型→建築ブース型)のほうが外付け式より効果が高い、という順序で理解します。 対策そのものにも優先順位があります。代替、密閉・自動化、局所排気装置、全体換気、保護具の順で検討し、保護具は最後の手段と位置づけられています。

    問題番号 1-hai-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    局所排気装置のダクトに関する記述として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:2 ダクトが細すぎると圧力損失が増大するため、適切な太さにする必要がある

    細すぎると圧力損失が増え、太すぎると搬送速度が落ちて粉じんが堆積します。どちらも不都合なので適切な太さが必要です。ベンドの数を減らし、ダクトを短くすると圧力損失は小さくなります。 空気清浄装置を設ける場合、排風機はその後ろ(清浄された空気が通る位置)に置きます。汚れた空気を通すと排風機が腐食・摩耗するためです。

    問題番号 1-hai-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    局所排気装置の定期自主検査を行うべき頻度と、記録の保存期間の組合せとして正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 1年以内ごとに1回・記録は3年間保存

    定期自主検査は1年以内ごとに1回で、記録は3年間保存します。作業環境測定が6か月以内ごとに1回なので、頻度を取り違えないようにします。 定期自主検査は局所排気装置のほか、除じん装置・排ガス処理装置・全体換気装置も1年以内ごとに1回です。記録3年とセットで覚えてください。

    問題番号 1-hai-003(誤りに気づいたらお知らせください)

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 公表試験問題(安全衛生技術試験協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。