第一種衛生管理者/第5章 労働衛生(有害業務)

★★★ 出題の目安 3/3 2回とも3問ずつ出題。

有害物質の性状と健康障害

常温常圧でガス・蒸気・粉じん・ミスト・ヒュームのどれになるかが問われます。ヒュームとミストの違いが定番です。

動画で見る(約5分)

音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

5つの状態を区別する

空気中に存在する有害物質は、状態で分類されます。定義の違いを押さえてください。

ガス 常温常圧で気体のもの。塩素、アンモニア、硫化水素、一酸化炭素、ホルムアルデヒド、二酸化硫黄など。
蒸気 常温常圧で液体または固体のものが蒸発・昇華して気体になったもの。アセトン、トルエン、水銀、硫酸ジメチルなど。
ミスト 液体の微粒子が空気中に浮遊しているもの。硫酸ミスト、塗料のスプレーなど。
粉じん 固体を機械的に粉砕して生じた固体の微粒子。石綿、無水クロム酸など。
ヒューム 金属が高温で蒸発し、空気中で凝縮・酸化してできた固体の微粒子。溶接ヒュームなど。

ヒュームとミストの違い

もっとも取り違えやすい2つです。

ヒュームは固体の微粒子で、金属がいったん蒸発してから固まったものです。ミストは液体の微粒子です。

「ヒュームは液体の微粒子である」という選択肢は誤りになります。

ガスと蒸気の違い

どちらも気体ですが、常温常圧でもともと気体なら「ガス」、もともと液体や固体のものが気化したなら「蒸気」です。

水銀は常温で液体なので、空気中に存在する状態は蒸気です。「水銀ガス」という表現は誤りになります。

物質と健康障害の組合せ

組合せを入れ替えた選択肢が定番です。

一酸化炭素 ヘモグロビンと強く結合して酸素運搬を妨げる。無色無臭で気づきにくい。
硫化水素 腐卵臭。高濃度では嗅覚が麻痺し、呼吸麻痺を起こす。
鉛 貧血、末梢神経障害、腹部の疝痛。
有機溶剤(共通) 中枢神経の抑制、皮膚・粘膜への刺激、肝臓・腎臓障害。
ノルマルヘキサン 末梢神経障害(多発性神経炎)。
ベンゼン 造血器障害(白血病)。
二硫化炭素 精神障害、網膜の細動脈瘤。
クロム酸 鼻中隔穿孔、肺がん。
マンガン パーキンソン病に似た症状(筋のこわばり、手指のふるえ)。

職場ではどう使う?

溶接作業の「煙」はヒューム(固体の微粒子)で、防じんマスクの対象です。塗装の「霧」はミスト、シンナーの「におい」は蒸気で、こちらは防毒マスクの対象になります。

状態の区別ができないと、保護具の選択を間違えます。

試験ではどう問われる?

「ヒュームは液体の微粒子」「水銀はガス」のように状態の定義を入れ替えた選択肢が定番です。

物質と健康障害では、ベンゼン(造血器障害)・ノルマルヘキサン(末梢神経障害)・クロム酸(鼻中隔穿孔)・マンガン(パーキンソン病様症状)の組合せをずらした選択肢が出ます。

よくある質問

ヒュームとミストはどう違いますか?

ヒュームは固体の微粒子、ミストは液体の微粒子です。ヒュームは金属が高温で蒸発してから空気中で凝縮・酸化してできます。

水銀はガスですか蒸気ですか?

蒸気です。常温常圧で液体のものが気化したものは蒸気と呼びます。常温常圧でもともと気体のものだけがガスです。

物質と健康障害の組合せが覚えられません。

特徴的なものから覚えてください。ベンゼンは造血器障害、ノルマルヘキサンは末梢神経障害、クロム酸は鼻中隔穿孔、マンガンはパーキンソン病に似た症状、というように1対1で結びつく組合せが出題されます。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    常温・常圧の空気中における有害物質の状態として、正しい組合せはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 塩素はガス、アセトンは蒸気、酸化亜鉛はヒューム

    常温・常圧で気体のものがガス(塩素、一酸化炭素、硫化水素など)、液体が蒸発したものが蒸気(アセトン、トルエン、水銀など)、金属の蒸気が凝縮した固体微粒子がヒューム(酸化亜鉛、酸化鉛など)です。液体の微粒子はミストになります。 ヒュームとミストの取り違えが定番です。ヒュームは金属が蒸発してから固まった固体、ミストは液体の微粒子です。

    問題番号 1-bus-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    有害物質とそれによる健康障害の組合せとして、誤っているものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:4 二硫化炭素 - 皮膚の色素沈着のみ

    二硫化炭素は精神障害や網膜細動脈瘤など、中枢神経系や血管系の障害を起こします。皮膚の色素沈着だけというのは誤りです。一酸化炭素はヘモグロビンと結合して酸素運搬を妨げ、ノルマルヘキサンは末梢神経障害、ベンゼンは造血器障害を起こします。 物質と障害が1対1で結びつくものから覚えてください。ベンゼンは造血器障害、ノルマルヘキサンは末梢神経障害、二硫化炭素は精神障害と網膜細動脈瘤です。

    問題番号 1-bus-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    金属による健康障害の組合せとして正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 鉛 - 貧血、末梢神経障害

    鉛は貧血、末梢神経障害、腹部の疝痛などを起こします。水銀は中枢神経障害(金属水銀の場合は手指のふるえ、精神症状)、カドミウムは腎障害と肺気腫、マンガンはパーキンソン病に似た症状が特徴です。 マンガンはパーキンソン病に似た症状(筋のこわばり、手指のふるえ)、クロム酸は鼻中隔穿孔と肺がんも押さえておくと、金属の設問に対応しやすくなります。

    問題番号 1-bus-003(誤りに気づいたらお知らせください)

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 公表試験問題(安全衛生技術試験協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。