第一種衛生管理者/第5章 労働衛生(有害業務)

★☆☆ 出題の目安 1/3 2回のうち出たのは1回で1問。粉じん則の条文問題は「有害業務の特別規則」に数えた。

粉じんとじん肺

じん肺は不可逆で治りません。合併症5つと、管理区分ごとの措置が問われます。石綿による疾病も押さえてください。

動画で見る(約5分)

音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

じん肺は元に戻らない

じん肺は、粉じんを吸い込むことで肺に線維増殖性の変化が生じる疾病です。

覚えることは2つです。いったん生じた線維化は元に戻らない(不可逆)ことと、粉じんへのばく露をやめた後も進行することがあることです。「粉じん作業をやめれば治る」とする選択肢は誤りです。

また、じん肺は自覚症状が出るのが遅いのも特徴です。かなり進行してから咳や息切れが現れます。

原因物質と疾病

吸い込む粉じんの種類で、生じる疾病が変わります。

遊離けい酸(石英など) けい肺。もっとも代表的なじん肺。
石綿(アスベスト) 石綿肺のほか、肺がん・中皮腫を起こす。
アルミニウム アルミニウム肺。
溶接ヒューム 溶接工肺。

石綿による疾病は潜伏期間が長い

石綿による中皮腫や肺がんは、ばく露から発症までの潜伏期間が非常に長く、数十年に及びます。

このため、離職後に発症することが多く、健康管理手帳による離職後の健康診断が用意されています。石綿の健康診断記録の保存が40年と長いのも同じ理由です。

じん肺の合併症は5つ

じん肺法で定められている合併症は次の5つです。数と内容がそのまま問われます。

肺結核 じん肺に合併しやすい代表的な疾病。
結核性胸膜炎
続発性気管支炎
続発性気管支拡張症
原発性肺がん

じん肺管理区分

じん肺健康診断の結果は、管理1から管理4の区分に分けられます。管理2以上は都道府県労働局長が決定します。

管理1所見なし健診は3年以内ごと管理2・管理3所見あり健診は1年以内ごと健康管理手帳の対象管理4療養を要する所見があるほど健診の頻度が高くなる。管理2以上は都道府県労働局長が決定
じん肺管理区分と健康診断の頻度
管理1 じん肺の所見がない。
管理2・管理3 じん肺の所見がある。粉じんばく露の低減措置などが必要。健康管理手帳の交付対象になる。
管理4 療養を要する。

じん肺健康診断の頻度

粉じん作業に常時従事する労働者は、管理区分に応じて3年以内ごとに1回、または1年以内ごとに1回じん肺健康診断を受けます。

所見がない(管理1)なら3年以内ごと、所見がある(管理2・管理3)なら1年以内ごと、というように所見があるほど頻度が高くなると考えると整理できます。

じん肺健康診断の記録は7年間保存します。

職場ではどう使う?

粉じん作業から離れて5年たった元社員が咳と息切れを訴えたら、じん肺は離職後も進行する病気なので、健康管理手帳の交付を受けていれば無料で健診を受けられます。

管理2の社員には、1年ごとのじん肺健診と、粉じんばく露を減らす配置の検討が要ります。

試験ではどう問われる?

「じん肺はばく露をやめれば進行しない」「じん肺は元に戻る」が定番の誤りです。

合併症5つに肺気腫や気胸を混ぜた選択肢、管理区分と健診頻度(管理1は3年・管理2以上は1年)をずらした選択肢、記録の保存を5年とした選択肢(正しくは7年)が出ます。

よくある質問

じん肺は粉じん作業をやめれば治りますか?

治りません。肺に生じた線維化は元に戻らず、ばく露をやめた後も進行することがあります。この不可逆性と進行性がじん肺の重要な性質です。

じん肺の合併症は何ですか?

肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎、続発性気管支拡張症、原発性肺がんの5つです。数と内容がそのまま問われます。

なぜ石綿の記録は40年も保存するのですか?

石綿による中皮腫や肺がんは潜伏期間が数十年に及ぶためです。離職後に発症することが多いため、記録の保存期間も長く、健康管理手帳による離職後の健康診断も用意されています。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    じん肺に関する記述として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:2 じん肺は肺の線維化を伴う疾患で、進行性であり治癒しない

    じん肺は肺胞に沈着した粉じんによって肺組織が線維化する疾患で、粉じん吸入を止めても進行することがあり、治癒しません。合併症には肺結核、続発性気管支炎、続発性気胸、原発性肺がんなどがあります。 じん肺法が定める合併症は、肺結核・結核性胸膜炎・続発性気管支炎・続発性気管支拡張症・原発性肺がんの5つです。数と内容が問われます。

    問題番号 1-jin-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    遊離けい酸を含む粉じんの吸入によって生じるじん肺の名称はどれか。

    答えと解説を見る

    正解:2 けい肺

    遊離けい酸(二酸化けい素)によるものがけい肺で、じん肺のなかで最も代表的なものです。石綿による石綿肺は肺がんや中皮腫を合併することがあり、溶接ヒュームによるものが溶接工肺です。原因物質と名称の組合せが問われます。 石綿は石綿肺だけでなく、肺がんと中皮腫も起こします。潜伏期間が数十年に及ぶため、離職後に発症することが多い点も特徴です。

    問題番号 1-jin-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    じん肺管理区分は、じん肺健康診断の結果に基づき、都道府県労働局長が決定する。

    答えと解説を見る

    正解:正しい(○)

    そのとおりです。事業者はじん肺健康診断の結果を都道府県労働局長に提出し、局長が地方じん肺診査医の診断・審査により管理区分を決定します。管理二以上の者には、じん肺健康診断を定期的に受けさせる必要があります。 管理区分は管理1から管理4まであり、管理2以上は都道府県労働局長が決定します。管理2・管理3は健康管理手帳の交付対象にもなります。

    問題番号 1-jin-003(誤りに気づいたらお知らせください)

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