第一種衛生管理者/第5章 労働衛生(有害業務)

★★★ 出題の目安 3/3 2回とも2問ずつ出題。

酸素欠乏と化学物質管理

酸素18%未満が酸素欠乏です。測定は「その日の作業開始前」、純酸素での換気は禁止。化学物質管理者は令和6年から規模要件なしで必要です。

動画で見る(約5分)

音声は合成音声です。字幕をつけて見られます。内容はこのページの解説と同じで、続きから再生できます。

酸素欠乏の定義

空気中の酸素濃度が18%未満である状態を酸素欠乏といいます。通常の空気は約21%です。

酸素欠乏症は短時間で意識を失うため、異変に気づいてからでは間に合いません。だから作業前の測定と換気が義務づけられています。

0%5%10%15%18%21%25%18%未満=酸素欠乏通常の空気 約21%酸素欠乏18%以上に保つ短時間で意識を失うので、その日の作業開始前に測定してから入る
酸素濃度の目盛り。18%未満が酸素欠乏、換気は空気で行う

第一種と第二種の区分

酸素欠乏危険作業は2つに分かれます。硫化水素のおそれがあるかどうかで決まります。

第一種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏のおそれがある場所での作業。
第二種酸素欠乏危険作業 酸素欠乏に加えて硫化水素中毒のおそれがある場所での作業。汚水槽やしゅんせつ作業など。

測定と換気の要件

数字と時期が問われます。

測定の時期 その日の作業を開始する前に測定する。前日の測定では足りない。
保つべき濃度 酸素18%以上。第二種ではあわせて硫化水素10ppm以下。
記録の保存 測定記録は3年間保存。
作業主任者 技能講習を修了した者から選任する。
特別教育 作業に従事する労働者に対して行う。

純酸素で換気してはいけない

換気は空気(新鮮な外気)で行います。純酸素を使ってはいけません。

理由は、酸素濃度が高くなりすぎると爆発・火災の危険があるためです。この点は繰り返し問われます。

また、換気ができない場合や換気しても危険がある場合は、送気マスクや空気呼吸器などの給気式の呼吸用保護具を使用させます。ろ過式の防毒マスク・防じんマスクは使えません。

化学物質の自律的管理へ

化学物質の規制は、国が個別の物質ごとに細かく定める方式から、事業者が自らリスクアセスメントを行って管理する方式(自律的管理)へと移行しています。

リスクアセスメントの対象物質は段階的に拡大されており、2026年4月には約2,900物質になります。

化学物質管理者と保護具着用管理責任者

令和6年4月から全面施行された仕組みです。規模要件がない(人数にかかわらず必要)点が問われます。

化学物質管理者 リスクアセスメント対象物を製造・取扱う事業場で選任。事業場の規模にかかわらず必要。リスクアセスメントの実施や記録の管理などを担当。
保護具着用管理責任者 リスクアセスメントの結果、保護具を使用させる事業場で選任。保護具の選択・使用・保守管理を担当。
SDS(安全データシート) 化学物質の危険有害性や取扱い上の注意を記載した文書。譲渡・提供時に交付する。

職場ではどう使う?

下水槽の清掃前に測ったら、酸素19%・硫化水素15ppmでした。酸素は18%以上ですが硫化水素が10ppmを超えているので、換気して両方の基準を満たしてから入ります。

換気に酸素ボンベを使おうとする人がいたら止めます。空気で換気します。

試験ではどう問われる?

「酸素濃度16%未満が酸素欠乏」のように数字を変えた選択肢、「測定は前日の作業終了時に行う」「換気は純酸素で行う」が定番の誤りです。

化学物質管理者では「常時50人以上の事業場で選任」のように規模要件をつけた選択肢が出ます(正しくは規模要件なし)。

よくある質問

酸素欠乏とは酸素濃度が何%未満ですか?

18%未満です。通常の空気は約21%です。作業場所の酸素濃度は18%以上に保つ必要があります。

純酸素で換気してはいけないのはなぜですか?

酸素濃度が高くなりすぎると爆発や火災の危険があるためです。換気は新鮮な外気(空気)で行います。

化学物質管理者は何人以上の事業場で必要ですか?

規模要件はありません。リスクアセスメント対象物を製造・取扱う事業場であれば、労働者数にかかわらず選任が必要です。衛生管理者の50人以上のような人数の区切りと混同しないでください。

読んだ内容が身についた?(確認問題3問)

選択肢を押すと、その場で正誤と解説が出ます。間違えた問題は学習マップに残ります。

  1. Q1

    酸素欠乏症等防止規則における「酸素欠乏」の定義として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:2 空気中の酸素濃度が18%未満である状態

    酸素欠乏とは空気中の酸素濃度が18%未満の状態です。作業場所の酸素濃度は18%以上に保つ必要があります。硫化水素中毒の防止が必要な第二種酸素欠乏危険作業では、硫化水素濃度を10ppm以下に保ちます。 第一種と第二種の違いは硫化水素のおそれがあるかどうかです。第二種では酸素18%以上に加えて、硫化水素10ppm以下を保つ必要があります。

    問題番号 1-san-001(誤りに気づいたらお知らせください)

  2. Q2

    酸素欠乏危険作業に関する記述として誤っているものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:4 酸素濃度が低い場合は、純酸素を用いて換気を行う

    純酸素での換気は絶対に行いません。火災や爆発の危険があるためで、換気には必ず空気を用います。作業開始前の測定、特別教育、換気困難時の送気マスク等の使用は、いずれも正しい措置です。 測定は「その日の作業開始前」に行います。前日に測っただけでは足りません。測定記録は3年間保存します。

    問題番号 1-san-002(誤りに気づいたらお知らせください)

  3. Q3

    化学物質のリスクアセスメントに関する記述として正しいものはどれか。

    答えと解説を見る

    正解:1 リスクアセスメント対象物を製造・取り扱う事業者に実施義務がある

    リスクアセスメント対象物については、事業場の規模を問わず実施が義務です。実施時期は、対象物を新規に採用または変更するとき、作業方法や作業手順を新規に採用または変更するとき、新たな危険性・有害性の情報を入手したときで、結果は労働者に周知します。自律的な化学物質管理への移行にともない対象物は拡大が続いており、2026年4月からは約2,900物質が対象です。 実施時期は、対象物を新規採用または変更するとき、作業方法や手順を新規採用または変更するとき、新たな危険性・有害性の情報を入手したときです。定期実施が義務づけられているわけではありません。

    問題番号 1-san-003(誤りに気づいたらお知らせください)

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解説と例題は学習用に当サイトが作成したものです。例題の数値はすべてオリジナルで、 公表試験問題(安全衛生技術試験協会の著作物)の本文・選択肢・数値は使用していません。